2012年06月06日

ANTOINE COURTOIS No.168 Saxhorn Basse 6 Pistons en Ut

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  使用マウスピース:COURTOIS T3 (Small-Midium Shamk)

 コルトワのサクソルンバス。C管で6本ピストン式なので、「フレンチテューバ」とも呼ばれる。以前に銀メッキの古いモデルを所有してゐたが、比較的近年に製造されたとおぼしき、このラッカーのモデルを入手することが出來た。刻印は古いものだが、管の接合などの仕上がりが大變良い上に、状態も大變によい。売り主によれば、2000年頃の製造だとのことだが、眞僞は不明。特別に近年作られたものかも知れない。

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 ラヴェル編の「展覧會の繪」の「ビドロ」のソロは、當時のフランスで「テューバ」として一般的であったといふこの樂器が想定されてゐたと言はれてゐる。通常のサクソルンバスとの違ひは、調性とピストンの數(通常のサクソルンバスは3〜5ピストン)、ピストン操作時の音程くらゐのもので、音色に關しては殆ど變りない。

 サクソルンにはコントラバスがあるにも關らず、なぜこの樂器がフランスのオーケストラで使はれ續けて來たのか等、この楽器については謎が多い。
 
 以前所有していたモデルは、浜松楽器博物館にお譲りした。
  ↓

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2009年11月23日

Sudre - Halari Saxhorn Basse ca.1900 - 1950


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 フランスの François Sudre は、同じくフランスの Halari (Halary - 1821年、オフィクレイドの特許を取ったメーカー) と合同で、Sudre - Halary 商会として、1877年から金管樂器の製造を開始した。

 Sudre と、その師匠である E.Daniel は、音程補正ヴァルヴを開發し、1884年に特許が取られた。これは後に金管樂器の教則本として有名なアーバンの作者、Jean Baptiste Arban の名を取り、「Arban - Compensateur」と名付けられ、1889年には、このヴァルヴを用ゐた金管樂器が製造され始めた。

 この樂器にも、その Compensateur ヴァルヴが採用されてゐる。音程補正システムは、第3ヴァルヴを使用時に、第1ヴァルヴを組み合はせた時にのみ、迂回管を通る仕組み。

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 なほ、1900年には、boulevard Rochechouart 13 に工房を移してをり、この樂器のベルには同住所の刻印があることから、1900年以降、同社が樂器製作を終へるまでの1950年までに製造されたものだと判斷できる。
 
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參考文献
The New Langwill Index
Tony Bingham, 1980 6th edition William Waterhouse
ISBN 0-946113-04-1

參考サイト
Jean-Michel RENARD
http://www.renard-music.com/
 
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2009年10月10日

Couesnon & Cie Saxhorn Basse Monopole - Concervatoire No.210 encadrés ca.1934

 
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 フランスはパリの老舗、ケノン社のサクソルンバッセ。1934年のカタログに、同機種が見られ、これより古い20世紀初期のカタログには見られないため、1930年頃の製造かと思はれる。

 ケノンの1900年以降のカタログによると、サクソルンバッセには、2番管がヴァルヴケーシングの上端でカーブし、コンパクトに巻かれた「découverts」といふタイプと、ユーフォニアムのやうに、2番管がヴァルヴケーシングを越えた上方でカーブし、ゆったりと巻かれた「encadrés」といふタイプとがある。

 そして、A(encadrés)・B(découverts)・C(encadrés)の3モデルに、Monopole(découverts)といふ高級モデル、そして、Monopole-Concervatoire(découverts 又は encadrés)ランクのモデルがラインナップされてゐた。

 現在のケノンや、同じくフランスの老舗コルトワのバッセは découverts タイプばかりなので、ユーフォニアムとの區別がつきやすいが、encadrés のモデルと、ユーフォニアムとの明確な違ひといふのは、私にも判らない。ドイツと違ひ、フランスではあまり名稱にこだはりがないのかも知れない。

 第3ヴァルヴはユーフォニアムより半音低い(2音下がる)。第4ヴァルヴはユーフォニアムと同じ(2音半下がる)。第5ヴァルヴは、ユーフォニアムの第4ヴァルヴより全音低い(3音半下がる)。

 調性はB♭。
 
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2009年08月06日

日本管樂器製造株式会社 - プチット・バス(陸軍)皇紀2603年(1943)

 
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 陸軍に納品されたサクソルンバス。星のマークと「陸軍軍樂隊」の刻印がある。海軍では「ユーホーニオン」「ユーフォニアム」などと呼ばれ、陸軍では「プチバス」「小バス」などと呼ばれてゐたやうである。

 第4ヴァルヴの位置が、第3ヴァルヴの枝管のすぐ裏にあり、操作しやすい。

 なほ、戰時中の畫像を見ると、他にも細部の異なるモデルがあるやうだ。いづれも、フランスのモデルを參考に製造されたのではないかと想像する。當方のコレクションにて、大東亞戰爭中の日管は、少なくとも、2種類のサクソルン・バッセを製造したことが證明された。
 
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日本管樂器製造株式会社 - ユーフォニオン(海軍)皇紀2604年(1944)

 
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 昭和19年に戦時中に海軍に納められたと思はれるサクソルンバス。海軍では「ユーホーニオン」「ユーフォニアム」などと呼ばれ、陸軍では「プチバス」「小バス」などと呼ばれてゐたやうである。

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 「櫻に碇」の刻印がある。管の取り回し方からすると、フランスのF.ベッソンのモデルを參考にしたと思はれる。

 戰利品として、アメリカに持ち去られたものなのか、アメリカのオークションに出品されてゐた。平成16年夏、歸國を果たした。修理すれば使へさうだ。

 「海ゆかば」を吹いてみたが、豊かで朗々とした音色に驚いた。當時の工業技術は相當なものであったことと想像する。

【參考】
 戰前戰中のユーフォニアム その1 海軍
 
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