2012年06月06日

ANTOINE COURTOIS No.168 Saxhorn Basse 6 Pistons en Ut

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  使用マウスピース:COURTOIS T3 (Small-Midium Shamk)

 コルトワのサクソルンバス。C管で6本ピストン式なので、「フレンチテューバ」とも呼ばれる。以前に銀メッキの古いモデルを所有してゐたが、比較的近年に製造されたとおぼしき、このラッカーのモデルを入手することが出來た。刻印は古いものだが、管の接合などの仕上がりが大變良い上に、状態も大變によい。売り主によれば、2000年頃の製造だとのことだが、眞僞は不明。特別に近年作られたものかも知れない。

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 ラヴェル編の「展覧會の繪」の「ビドロ」のソロは、當時のフランスで「テューバ」として一般的であったといふこの樂器が想定されてゐたと言はれてゐる。通常のサクソルンバスとの違ひは、調性とピストンの數(通常のサクソルンバスは3〜5ピストン)、ピストン操作時の音程くらゐのもので、音色に關しては殆ど變りない。

 サクソルンにはコントラバスがあるにも關らず、なぜこの樂器がフランスのオーケストラで使はれ續けて來たのか等、この楽器については謎が多い。
 
 以前所有していたモデルは、浜松楽器博物館にお譲りした。
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MARIO CORSO - Flicorno Tenore

 
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  使用マウスピース:B.TILZ - NEA T1, T2

 O.レスピーギの交響詩「ローマの松」に登場するバンダ(ブッキーナ)の「Flicorno Tenori」に該當する樂器。Tenori は、Tenore の複數形。イタリアでは、ピストン式、ロータリー式の兩タイプが製造されてゐる。

 この MARIO CORSO のモデルは、マウスパイプのレシーバーシャンクが、トランペットやアルトホルンと同じサイズで、トロンボーン用のスモールシャンクすら入らない。

 音色は、サクソルンのバリトンよりも、ヴァルヴ・トロンボーンやキングのトロンボニアム(トロンボニウム Trombonium)に近い感じがする。
 
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RAMPONE & CAZZANI - Flicorno Basso

 
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  使用マウスピース:Denis Wick SM5, SM6

 O.レスピーギの交響詩「ローマの松」に登場するバンダ(ブッキーナ)の「Flicorno Bassi」に該當する樂器。Bassi は、Basso の複數形。イタリアでは、ピストン式、ロータリー式の兩タイプが製造されてゐる。

 この RAMPONE & CAZZANI のモデルは、マウスパイプのレシーバーシャンクが、トロンボーン用のスモールシャンク仕様になってゐる。極端に大きなベルと、大胆で細かい装飾が特徴。

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 音色は、ドイツ式のバリトンを少し田舎臭くさせたやうな感じで、所属する樂團の年配の方から「味があっていいねぇ」と絶賛された。
 
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CONN 60I Wonderphone - Double Bell Euphonium


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 コーンのダブルベルユーフォニアム。5ヴァルヴ、サテンシルバー、インナーベルゴールド仕上。

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 第1〜第4ヴァルヴは通常のユーフォニアムと同じ。第5ヴァルヴで大小のベルを切り替へる。大きいベルでバリトンホーン(ユーフォニアム)の音を、小さいベルでトロンボーンのやうな音を出す仕組。それぞれテューニングが可能。

 なほ、両方のベルからいっぺんに音を出すことはできない。無理矢理、第5ヴァルヴをハーフヴァルヴにして吹いてみると、兩方のベルの音が混じり合ってしまひ、バリトンホーン(ユーフォニアム)の音にしか聞こえなかった。

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 ベルには Naked Lady と呼ばれる刻印がある。

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2012年06月05日

F. BESSON Brevete - Saxhorn Basse

 
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 パリでフランス式樂器を製造してゐた、F.ベッソンによるサクソルンバス。ベッソンはロンドンにも工場を構へ、そこではイギリス向けの樂器を製造してゐた。

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 第4ヴァルヴ枝管の取り回しや、全体の形状を見ると、日本管樂器製造が帝國海軍に納品したユーフォニオンにそっくりであり、このF.ベッソンの樂器を日管がコピーしたものと思はれる。

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  F.Besson 製サクソルンバス

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  皇紀2604年(1944)年製 日本管樂器製造株式会社 ユーフォニオン(海軍)
  http://historical-euphonium.seesaa.net/article/125092804.html
 
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